
~さらに深く!Midjourneyで思い描いた景色を現実に~
皆さん、こんにちは!AIお助け隊のナビゲーター、AI先生です。
前回の記事では、本格的な画像生成AI「Midjourney」の登録方法と基本的な使い方について解説しました。今回は、いよいよMidjourneyの真骨頂!皆さんが思い描く**「夢の風景」を、まるで本物の写真のようにリアルに描き出すための、ちょっとしたコツとテクニック**を伝授したいと思います。
「いつかこんな場所に行ってみたいなぁ」「こんな景色の中でゆっくり過ごしたいなぁ」そんな夢のような風景を、Midjourneyはあなたの手で創造することを可能にします。少しだけプロンプトを工夫するだけで、生成される画像のクオリティは格段に向上しますよ!
今回の記事では、AI初心者さんにも理解できるように、具体的な例を挙げながら、リアルな風景を描くためのプロンプトの書き方や、よりイメージ通りの画像を生成するためのヒントを詳しく解説していきます。さあ、Midjourneyをマスターして、あなたの心に眠る美しい風景を、現実の世界に呼び覚ましましょう!
写真のようにリアルな風景を描くためのプロンプトのコツ
Midjourneyで写真のようにリアルな風景を描くためには、いくつかの重要なポイントをプロンプトに盛り込むことが大切です。
描写を具体的にする
まず最も重要なのは、描写をできる限り具体的にすることです。「美しい風景」という抽象的な表現だけでは、Midjourneyはどんな風景を描けば良いか迷ってしまいます。
- 場所: どこですか?(例:日本の田舎、ヨーロッパの古都、熱帯のビーチ、雪山)
- 時間帯: いつですか?(例:朝焼け、夕暮れ、真夜中、雨上がり)
- 天候: どんな天気ですか?(例:晴れ、曇り、雨、雪、霧)
- 主要な被写体: 何が写っていますか?(例:山、川、湖、森、建物、花畑)
- 構図: どのように配置されていますか?(例:広大なパノラマ、近景、一点透視)
これらの要素を具体的にプロンプトに含めることで、Midjourneyはあなたのイメージをより正確に理解し、リアルな風景を描き出すことができます。
例1:抽象的なプロンプト
beautiful landscape
(日本語:美しい風景)
※生成されたイメージ画像

例2:具体的なプロンプト
a serene Japanese countryside landscape at sunrise, with mist hanging over rice paddies and distant mountains, golden light, panoramic view
(日本語:日の出の穏やかな日本の田園風景。水田と遠くの山々に霧がかかり、黄金色の光がパノラマに広がる。)
※生成されたイメージ画像

例2のように、場所、時間帯、天候、主要な被写体、光の具合、構図などを具体的に記述することで、よりリアルで情景が目に浮かぶような画像が生成されます。
※画像は便宜的にGeminiで生成したものです。
※日本語入力で英語のプロンプトを出力してくれるプロンプトジェネレーターもあります。
カメラの専門用語を活用する
写真のようなリアルな質感を出すために、カメラの専門用語をプロンプトに加えるのも有効なテクニックです。
- 焦点距離: (例:50mm lens, wide-angle lens)
- 絞り値: (例:f/1.8, shallow depth of field)
- 露出: (例:long exposure)
- ライティング: (例:natural light, soft light, rim lighting)
これらの用語を加えることで、Midjourneyは写真特有のボケ感や光の表現などを理解し、よりリアルな仕上がりになります。
例3:基本的なプロンプト
a forest path
例4:カメラ用語を加えたプロンプト
a winding forest path with dappled sunlight filtering through the leaves, 50mm lens, shallow depth of field, natural light
例4では、光の具合やレンズの種類、被写界深度を指定することで、よりプロの写真のような雰囲気が加わります。
スタイルやアーティストを指定する
特定の写真家やアートスタイルを指定することで、生成される画像の雰囲気をコントロールすることができます。「photorealistic(フォトリアリスティック)」というキーワードを直接加えるのも効果的です。
- 写真家: (例:photograph by Ansel Adams, photo by National Geographic)
- スタイル: (例:photorealistic, hyperrealistic)
例5:シンプルなプロンプト
a mountain lake
例6:スタイルを指定したプロンプト
a photorealistic image of a crystal-clear mountain lake reflecting snow-capped peaks, surrounded by evergreen trees, under a clear blue sky
例6では、「photorealistic」というキーワードを加えることで、より現実の写真に近い質感が表現されます。
アスペクト比を指定する
風景写真の場合、アスペクト比を指定することで、より見栄えの良い構図にすることができます。ワイドな風景を表現したい場合は「–ar 16:9」や「–ar 21:9」といったパラメータをプロンプトの最後に追加します。
例7:通常のアスペクト比
a vast desert landscape
例8:アスペクト比を指定したプロンプト
a vast desert landscape with towering sand dunes under a dramatic sunset, --ar 16:9
例8では、「–ar 16:9」を追加することで、ワイドスクリーンに適したパノラマのような風景が生成されます。
より複雑な風景を描くためのプロンプト例
上記のコツを踏まえて、さらに複雑な風景を描くためのプロンプト例をいくつかご紹介します。
例1:活火山と溶岩
a photorealistic image of an erupting volcano at night, molten lava flowing down its slopes, ash and smoke filling the dark sky, stars visible in the distance, long exposure, --ar 21:9
(夜に噴火する火山の写真のような画像。斜面を流れ落ちる溶岩、暗い空を覆う灰と煙、遠くに見える星々、長時間露光、–ar 21:9)
※生成画像

例2:古代遺跡と熱帯雨林
a hyperrealistic depiction of ancient Mayan ruins overgrown with lush tropical rainforest, moss-covered stones, sunlight streaming through the canopy, misty atmosphere, wide-angle lens
(緑豊かな熱帯雨林、苔むした石、樹冠から差し込む日光、霧のかかった雰囲気、広角レンズで覆われた古代マヤ遺跡の超写実的な描写)
※生成画像

例3:未来都市の夜景
a futuristic cyberpunk cityscape at night, towering skyscrapers with neon lights, flying vehicles, holographic advertisements, rain-slicked streets, shallow depth of field, cinematic lighting
(夜の未来的なサイバーパンク都市の景観、ネオンライトが輝く高層ビル、空飛ぶ乗り物、ホログラム広告、雨に濡れた通り、浅い被写界深度、映画のような照明)
※生成画像

例4:穏やかな雪景色
a serene winter landscape with snow-covered pine trees, a frozen lake reflecting the soft morning light, gentle snowfall, footprints in the fresh snow, soft light, 50mm lens
(雪に覆われた松の木々のある静かな冬の風景、柔らかな朝の光を反射する凍った湖、穏やかな降雪、新雪に残る足跡、柔らかな光、50mmレンズ)
※生成画像

これらの例を参考に、皆さんの頭の中にある「夢の風景」を具体的なプロンプトで表現してみてください。
Midjourneyのパラメータを使いこなす
Midjourneyには、プロンプト以外にも、生成される画像をより細かくコントロールするためのパラメータが用意されています。いくつか初心者にも役立つパラメータをご紹介します。
--ar <比率>
(アスペクト比): 生成する画像の縦横比を指定します。(例:--ar 4:3
,--ar 16:9
)--q <画質>
(クオリティ): 生成する画像の品質とレンダリング時間を調整します。デフォルトは1
で、0.25
,0.5
,1
,2
の値が設定可能です。高いほど高品質になりますが、生成時間も長くなります。--style <スタイル>
: Midjourneyのバージョンによって利用できるスタイルオプションです。例えば、--style raw
を使うと、よりプロンプトに忠実でアーティスティックな画像が生成されやすくなります。(※バージョン5.1以降で利用可能)--seed <数値>
(シード値): 同じシード値を使うと、プロンプトが同じであれば、非常に類似した画像を生成することができます。バリエーションを生成する際に、特定の方向性を維持したい場合に便利です。--chaos <数値>
(カオス): 生成される画像のバリエーションの豊かさを調整します。0
に近いほど似た画像が、100
に近いほど多様な画像が生成されやすくなります。
これらのパラメータをプロンプトの最後に追加することで、より意図した画像を生成することができます。
例:アスペクト比とクオリティを指定
a majestic waterfall cascading down a rocky cliff, surrounded by lush greenery, --ar 3:2 --q 2
このプロンプトでは、アスペクト比を3:2に、画質を最高の2に設定しています。
Midjourneyでリアルな画像を生成する際の注意点
Midjourneyは非常に強力なツールですが、完璧ではありません。リアルな画像を生成する際には、いくつかの注意点があります。
- 完璧な再現は難しい: MidjourneyはあくまでAIによる生成です。完全に現実世界を再現できるわけではありません。細部が不自然になったり、意図しないものが写り込んだりすることもあります。
- プロンプトの試行錯誤が必要: 一度で理想の画像が生成されるとは限りません。色々なプロンプトを試したり、パラメータを調整したりする根気が必要です。
- 倫理的な利用を心がける: Midjourneyで生成した画像を公開・利用する際には、著作権や肖像権、プライバシーに関わる問題に十分配慮し、倫理的な利用を心がけましょう。
※関連記事:生成AIって安全なの?個人情報の扱いは?著作権は?注意したい問題点
まとめ
今回の記事では、Midjourneyで「夢の風景」を写真のようにリアルに描くためのプロンプトの書き方や、便利なパラメータについて詳しく解説しました。少し難しいと感じたかもしれませんが、一つ一つのテクニックを理解し、実際に試してみることで、必ず素晴らしい風景画像を生み出すことができるはずです。
Midjourneyは、あなたの想像力を無限に広げる可能性を秘めています。今回学んだことを活かして、あなたの心に眠る美しい風景を、Midjourneyを通じて現実の世界に表現してみてください。きっと、その完成度に驚きと感動を覚えることでしょう。
次回の「AIお助け隊」では、Midjourneyを使ってさらに複雑なテーマの画像を生成する方法や、より高度なテクニックについてご紹介する予定です。お楽しみに!
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