
「生成AIに興味はあるけど、なんだか難しそうだし、スマホだけで使えるの?なにか特別なパソコンが必要なんじゃないの?」
そんな風に思っている方もいるかもしれませんね。この記事では、AIを使うためにどんな環境が必要なのか、パソコンが苦手な方や普段スマホしか使わない方でもAIを楽しめるのかどうかを、分かりやすく解説していきます。
結論から言うと、必ずしも特別な高性能なパソコンが必要とは限りません! むしろ、今お使いのスマホやパソコンで気軽に始められるAIがたくさんあるんですよ。
AIの種類によって必要な環境は違う
AIと一口に言っても、その種類や使い方によって必要な環境は異なります。大きく分けて、
- クラウド上で動くAI
インターネットを通じて、遠隔の高性能なコンピュータ(クラウドサーバー)で処理を行うAI。 - お手持ちのデバイスで動くAI
スマホやパソコンにインストールされたアプリやソフトの中で処理を行うAI。
があります。
クラウド上で動くAI:スマホや普通のパソコンでOK!
最近話題の生成AIの多くは、このクラウド上で動くタイプです。例えば、文章作成AIのChatGPTや、画像生成AIのMidjourneyなどは、インターネットに接続できる環境があれば、普段お使いのスマホやパソコンのWebブラウザを通じて利用することができます。

- メリット:
- 高性能なパソコンを持っていなくても、高度なAI機能を利用できる。
- アプリケーションのインストールなどが不要な場合が多い。
- 常に最新のAI機能を利用できる。
- 注意点:
- インターネット接続が必須。
- サービスによっては利用料金がかかる場合がある。
つまり、普段スマホでインターネットを使っている方や、基本的なスペックのパソコンをお持ちの方でも、生成AIの世界を手軽に体験できるんです。
お手持ちのデバイスで動くAI:アプリやソフトを活用
スマホアプリやパソコンソフトの中にも、AI技術が活用されているものがたくさんあります。

- スマホアプリの例:
- カメラアプリの画像認識機能(被写体を認識して自動でピントを合わせるなど)
- 写真編集アプリのAIフィルター(人物の肌をきれいにしたり、背景をぼかしたりする機能)
- 音声アシスタント(Siri、Googleアシスタントなど)
- 翻訳アプリ(リアルタイムで外国語を翻訳する機能)
- パソコンソフトの例:
- 一部の画像編集ソフトや動画編集ソフトに搭載されたAI機能(自動で不要な部分を削除したり、動画のクオリティを向上させたりする機能)
これらのアプリやソフトは、それぞれのデバイスの処理能力を活かしてAI機能を実現しています。そのため、特別な高性能パソコンでなくても、普段使っているスマホやパソコンで十分に活用できるものが多いです。
クラウドAIとデバイスAI(エッジAI)の比較表
クラウドAIとデバイスAI(エッジAIとも呼ばれます)の比較表を初心者の方にも分かりやすいように、それぞれの特徴、メリット、デメリットをまとめてみました。
項目 | クラウドAI (Cloud AI) | デバイスAI (Device AI) / エッジAI (Edge AI) |
---|---|---|
データ処理場所 | インターネット経由でクラウド上の高性能サーバー | デバイス(スマホ、PC、センサーなど)の内部、またはデバイスの近く |
主な特徴 | 大規模データ処理、高度な学習・推論が可能 | リアルタイム処理、オフラインでの動作、プライバシー保護に優れる |
通信 | インターネット接続が必須 | インターネット接続なしでも動作可能(一部機能は必要) |
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
クラウドAI | ・高性能・高機能: 大規模なデータ処理や複雑なAIモデルの実行が可能。 ・初期費用を抑えられる: 自社で高価なサーバーや設備を用意する必要がない。 ・スケーラビリティ: 必要に応じて処理能力を柔軟に増減できる。 ・どこからでも利用可能: インターネット環境があれば、場所を選ばず利用できる。 ・メンテナンス不要: サービス提供者がサーバーの管理や更新を行う。 | ・通信環境への依存: インターネット接続が必須で、通信速度や安定性に影響を受ける。 ・リアルタイム性: データの送受信に時間がかかり、リアルタイム処理には不向きな場合がある。 ・セキュリティリスク: クラウド上にデータを預けるため、情報漏洩や不正アクセスのリスクがゼロではない。 ・通信コスト: 大量のデータを送受信する場合、通信費用がかさむ可能性がある。 ・ベンダーロックイン: 特定のサービスに依存し、乗り換えが困難になる場合がある。 |
デバイスAI | ・リアルタイム処理: デバイス内で処理するため、データの送受信による遅延がない。 ・オフライン動作: インターネットに接続していなくてもAI機能が利用できる。 ・プライバシー保護: データが外部に送信されないため、情報漏洩のリスクが低い。 ・通信コスト削減: 必要なデータのみをクラウドに送るため、通信量が少ない。 ・電力効率: AI処理に特化したNPU(Neural Processing Unit)搭載デバイスでは、消費電力を抑えられる。 | ・処理能力の限界デバイスの性能に依存するため、大規模なデータ処理や高度な学習には不向き。 ・導入・運用コスト: デバイスごとにAI機能を実装・更新する必要があり、コストや手間がかかる場合がある。 ・リソースの拡張性: ハードウェアのアップグレードが必要で、柔軟な拡張が難しい。 ・モデルの更新: 最新のAIモデルへの更新がクラウドAIよりも手間がかかる場合がある。 |
それぞれのAIの使い分け
クラウドAI・デバイスAI、どちらのAIも一長一短があるため、利用する目的や状況に応じて使い分けることが重要です。
- クラウドAIが向いている場面:
- 大量のデータ(ビッグデータ)を分析して傾向を把握したいとき。
- 高度な画像認識や自然言語処理を行いたいとき。
- 初期費用を抑えて手軽にAIを導入したいとき。
- AIのモデルを常に最新の状態に保ちたいとき。
- 例:ChatGPTのような大規模言語モデル、ECサイトのレコメンデーション(おすすめ・推奨)、医療画像の診断支援
- デバイスAIが向いている場面:
- リアルタイムでの高速な応答が求められるとき(例:自動運転、ロボット制御)。
- インターネット接続が不安定な場所や、オフライン環境でAIを使いたいとき。
- 個人情報など、プライバシーに関わるデータを外部に送信したくないとき。
- 例:スマートフォンの顔認証、お掃除ロボットの障害物回避、工場の異常検知
最近では、クラウドAIとデバイスAIのそれぞれの良いところを組み合わせた「ハイブリッド型」のAIシステムも増えてきています。例えば、デバイスAIで一次処理を行い、必要なデータだけをクラウドAIに送ってさらに高度な分析を行う、といった使い方です。
AIを快適に使うためのポイント
AIの種類によっては、ある程度のインターネット環境やデバイスのスペックが推奨される場合もあります。
- インターネット環境
クラウド上のAIを利用する場合は、安定したインターネット接続が必要です。特に、画像や動画を扱うAIの場合は、ある程度の通信速度が求められることがあります。 - デバイスのスペック
お手持ちのデバイスでAIアプリやソフトを快適に利用するためには、ある程度の処理能力やメモリ容量が必要となる場合があります。しかし、多くの一般的なスマホやパソコンであれば、基本的なAI機能を十分に楽しむことができるでしょう。
もし、特定のAIツールを使いたい場合は、そのツールの推奨環境を確認してみるのがおすすめです。
まずは身近なAIから体験してみよう!
「AIを使うには特別な環境が必要?」という心配は、もう大丈夫そうでしょうか?
まずは、普段お使いのスマホに搭載されているAI機能(予測変換、音声アシスタント、カメラ機能など)を意識して使ってみることから始めるのがおすすめです。また、無料で利用できる生成AIツールなどを試してみるのも良いでしょう。
このブログ「AIお助け隊」でも、初心者の方におすすめのAIツールや使い方をたくさん紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
AIは、特別な人だけが使える難しいものではありません。あなたも今日から、身近なAIの世界を気軽に楽しんでみませんか?
関連記事
参考情報
- Sycom BTOVision:「生成AI」を快適に使うためのパソコンを探る – 生成AIの基礎知識や必要スペックを徹底解説
- HIS Mobile:スマホの生成AIで何ができる?生成AI利用上のメリットとデメリット
- BLOGAzureブログ:クラウドAIとは?エッジAIとの違いやメリット、最新事例10選
コメント