
前回の記事では、ChatGPTを使って物語を作るクリエイティブな活用法をご紹介しました。「生成AIって、こんなに色々なことができるんだ!」と、その可能性にワクワクした方もいるかもしれませんね。
ChatGPTは、質問に答えるだけでなく、ちょっとした工夫や設定を知っておくだけで、もっともっと賢く、あなたの強力な「お助け隊」になってくれます。まるで、隠れた能力を引き出す「裏ワザ」があるようなものです!
このページでは、生成AI初心者さんがChatGPTを「もっと賢く」使いこなすための、知っておくと便利な設定や機能、そしてちょっとした裏ワザを、手取り足取り分かりやすく解説していきます。これらのヒントを覚えて、あなたのChatGPTライフをさらに快適で効率的なものにしていきましょう!
1. 会話履歴の管理:プライバシーと効率を高める設定
ChatGPTの便利な機能の一つに、過去の会話履歴が自動で保存されるというものがあります。しかし、この履歴の管理は、プライバシーの保護と、より効率的な利用のために非常に重要です。
1-1. チャット履歴のオフ設定:「オプトアウト」で安心!
以前の記事(第4回)でも触れましたが、ChatGPTは入力された会話データを生成AIモデルの改善や学習に利用する場合があります。もし、機密情報や個人情報を扱う可能性がある場合は、この学習機能をオフにする「オプトアウト(Opt-out)」設定をしておきましょう。
- 設定場所: 画面左下のあなたの名前(またはアイコン)をクリック → 「Settings & Beta」(設定とベータ版)または「Settings」を選択 → 「Data controls」(データコントロール)または「Data privacy」のような項目を探し、「Chat history & training」(チャット履歴とトレーニング)のトグルスイッチをオフにします。
- メリット: あなたが入力したデータが生成AIの学習に使われなくなるため、情報漏洩のリスクを軽減できます。
- 注意点: この設定をオフにすると、チャット履歴が保存されなくなります。 過去の会話を見返したり、会話の続きから始めたりできなくなるので、その点を理解した上で設定しましょう。
1-2. チャット履歴の削除:スッキリ整理とプライバシー保護
不要になった過去のチャット履歴は、個別に削除することができます。これは画面をスッキリさせるだけでなく、もし誤って機密情報を入力してしまった場合のプライバシー保護にも役立ちます。
- 削除方法: 画面左側のチャット履歴リストで、削除したい会話のタイトルにカーソルを合わせると表示されるゴミ箱アイコンをクリックします。
2. 回答をカスタマイズ!「カスタム指示」で生成AIをあなた好みに
「カスタム指示(Custom Instructions)」は、ChatGPTに「あなたはこういう役割で、こういうことに気をつけて答えてほしい」という、あなただけの特別な設定を常に記憶させておくことができる便利な機能です。これを設定しておけば、毎回同じプロンプトを入力する手間が省け、生成AIがよりあなたのニーズに合った回答をしてくれるようになります。
2-1. カスタム指示でできることの例
- AIの役割やペルソナを設定: 「あなたは優しいAIお助け隊のメンバーです。」「あなたはプロのマーケターです。」
- 回答のトーンやスタイルを指定: 「です・ます調で丁寧にお願いします。」「専門用語は使わず、小学生にもわかるように説明してください。」
- あなたの情報や状況を伝える: 「私はAI初心者です。」「私は料理が苦手です。」
- 回答に含めてほしいこと・避けてほしいこと: 「必ず3つの具体例を挙げてください。」「ネガティブな表現は避けてください。」
2-2. カスタム指示の設定方法
- 画面左下のあなたの名前(またはアイコン)をクリックします。
- 「Settings & Beta」(設定とベータ版)または「Settings」を選択します。
- 「Custom Instructions」(カスタム指示)を選択します。
- 2つの入力欄が表示されます。
- 上段: 「What would you like ChatGPT to know about you to provide better responses?」(ChatGPTにより良い回答を提供するために、あなたについて何を知っておいてほしいですか?)
- あなた自身の情報やAIに考慮してほしいあなたの状況を入力します。(例:「私はAI初心者で、パソコンが苦手な中高年です。専門用語は理解できません。」)
- 下段: 「How would you like ChatGPT to respond?」(ChatGPTにはどのように応答してほしいですか?)
- AIに期待する役割や回答のスタイル、トーン、ルールを入力します。(例:「あなたは常に優しい言葉遣いで、専門用語は避け、必ずひらがなでルビを振ってください。回答は箇条書きを多用し、読みやすくしてください。」)
- 上段: 「What would you like ChatGPT to know about you to provide better responses?」(ChatGPTにより良い回答を提供するために、あなたについて何を知っておいてほしいですか?)
- 設定後、忘れずに「Save」(保存)をクリックします。
ポイント: このカスタム指示は、新しいチャットを開始しても記憶されています。不要になったら、いつでも編集したりオフにしたりできます。
3. モード切り替えで賢さアップ!「GPT-4o」を使ってみよう
ChatGPTの無料版では、主に「GPT-3.5」というモデルが使われています。しかし、OpenAIはより高性能なモデル「GPT-4o(ジーピーティー フォーオー)」も開発しており、無料版ユーザーでも利用できる場合があります(利用回数に制限があることが多いです)。
- GPT-4oのメリット:
- より賢い: GPT-3.5よりも高度な推論能力や創造性を持っています。複雑な質問にもより正確に、質の高い回答を生成できます。
- より自然な会話: 会話の流れを深く理解し、より人間らしい自然な対話が可能です。
- マルチモーダル対応: テキストだけでなく、画像や音声、動画を理解・生成する能力も持ち合わせています(無料版での利用は制限される場合があります)。
- 切り替え方: チャット画面の上部に、現在使用しているモデルが表示されている場合があります(例:「GPT-3.5」)。ここをクリックすると、「GPT-4o」など、他のモデルを選択できる場合があります。もし利用可能であれば、ぜひ試してみてください。
ポイント: GPT-4oは処理に時間がかかったり、利用回数に制限があったりすることがあります。普段使いはGPT-3.5で、特に複雑な質問やクリエイティブなタスクをお願いしたいときにGPT-4oを試す、といった使い分けがおすすめです。
4. 知っておくと便利なその他の「裏ワザ」と機能
4-1. 対話の「続き」を指示する
AIの回答が途中で途切れてしまったり、もっと続きが欲しかったりする場合、シンプルに「続けて」や「続きを書いて」とプロンプトするだけで、AIは途切れたところから回答を再開してくれます。
4-2. 回答の「再生成」を依頼する
AIの回答が期待通りでなかった場合、入力欄の近くに「Regenerate response」(回答を再生成)のようなボタンがあります。これをクリックすると、同じプロンプトに対して、AIが別の回答を生成してくれます。何度か試して、より良い回答を探してみましょう。
4-3. マークダウン記法を活用する
生成AIは、マークダウン記法(見出し、箇条書き、太字など)を使って文章を構造化するのが得意です。プロンプトで「箇条書きでまとめて」「H2見出しを使って」などと指示すると、読みやすい形式で出力してくれます。
5. 「賢い」生成AIとの付き合い方
ChatGPTを「もっと賢く」使いこなすための裏ワザや設定を知ることで、あなたは生成AIとのコミュニケーションを次のレベルに引き上げることができます。
これらの機能を活用することで、あなたの情報収集、文章作成、アイデア出しといった様々な活動が、さらに効率的でクリエイティブなものになるでしょう。
難しく考える必要はありません。まずは一つずつ試してみて、生成AIがあなたの強力な「お助け隊」になってくれることを実感してみてくださいね!
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